子宮がん健診
子宮がんとは
子宮がんは、発生する場所により「子宮頸がん」と「子宮体がん」に分かれます。子宮頸がんは、子宮頚部にできるがん、子宮体がんは子宮体部にできるがんです。
子宮頚がんとは
子宮頸がんとは、子宮の入り口にできる「がん」のことです。主にヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因です。HPVは性交症での感染がほとんどで、性交渉の経験がある女性なら誰でも感染する可能性があります。
子宮頸がんにかかる女性の約16%が20~30代です。発症年齢のピークは女性の出産年齢と重なります。日本では毎年約10,000人の女性が新たに子宮頸がんと診断され、年間約3,000人の女性が子宮頸がんで命を落としています。
子宮体がんとは
子宮がん検診とは
子宮頚がん検診とは、がんになる前の細胞やがんの早期発見ができる検査のことです。
子宮頸がん細胞は、原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染から5~10年かかって増殖するといわれています。定期的に検診を受けていれば、がんになる前の段階で、診断することができ、早く治療を始めることができ、進行を遅らせることにつながります。
早期発見・早期治療のために、1年に1回受診しましょう。
当クリニックでは国分寺市・小平市・小金井市のがん検診も実施しています。超音波検査で子宮と卵巣の形、大きさも確認しています。皆様の健康を考え、無料で全員に超音波検査を実施しております。
検診ではどんなことを するの?
子宮頸がんは、子宮の入り口部分の頸部に発症します。検査は、クスコという器具を挿入して膣を開き、子宮の入り口付近を綿棒やヘラのような器具で細胞をこすって取ります。
1~2分で終了し、まれに少量の出血がありますが、痛みはほとんどありません。採取した細胞をスライドグラスに固定し、色素で染め顕微鏡で観察し、がん細胞の有無をみます。判定には1~2週間かかります。
検診の流れ
※検診には生理期間を避けてご来院ください。
※検診は内診台で行います。パンツ・下着を脱いで内診台にあがりますので、ワンピースは避け、着脱のしやすいスカートがおすすめです。
1.受付・問診票記入
受付にお越しください。問診票をご記入いただき、記入が終わりましたら、受付にお持ちください。
診察の順番が来るまでお待ちください。
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2.問診
医師の問診があります。HPVワクチンの接種歴、最終月経、不正出血の有無、過去の検診受診歴、妊娠・出産歴などについて問診します。
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3.内診の準備
検診は、内診台で行います。内診室に入り、マットの手前でお履き物を脱ぎます。パンツ、下着(ショーツ、ストッキングなど)は脱ぎます。スカート、上半身は脱ぐ必要はありません。
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4.内診台にあがります
椅子に座るような感じで、内診台に座ります。お洋服が汚れないように、スカートなどの裾はお尻の上までたくしあげます。医師との間はカーテンで遮られています。リラックスしてお待ちください。
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5.検診(細胞診・超音波検査)
クスコという器具を挿入して膣を開き、子宮の入り口付近を綿棒やヘラのような器具で細胞をこすって取ります。
1~2分で終了し、まれに少量の出血がありますが、痛みはほとんどありません。次に、超音波検査で、子宮卵巣に異常がないかを診察して終了です。
検診結果について
検診の結果は、1週間後以降に出ます。直接来院して聞くか、オンライン診療で聞くか、市の検診の場合は、郵送で届くこともあります。子宮頸がん検診の結果は、「異常なし」(=NILM)か、「要精密検査」のどちらかです。結果が「要精密検査」だと、「自分はがんなのではないか」と不安になると思いますが、必ずしも「がん」であるというわけではありません。子宮頚がんは、早期発見ができれば、治癒する可能性が十分にある病気です。医師の結果説明をしっかりと聞き、不安になりすぎず、必要な精密検査を受けましょう。「異常なし」の場合でも、現時点では異常が見つからなかったということですので、1年1回の定期健診を受けることが大切です。
※要精密検査の場合
精密検査は、コルポスコープ(膣拡大鏡)下の組織診・HPV(ヒトパピローマウイルス)検査をします。
陰性であれば、3~6か月毎の定期検査のみで経過観察になります。
子宮頸がん疑いと診断された場合には『コルポスコープ』という拡大鏡のような器械で子宮頸部の粘膜表面を拡大し、細かい部分を観察します。
がん病変がありそうと思われる部分から組織を少量取り、標本を作って顕微鏡で診断します。これを『組織診』といいます。
多くは2つの方法を組み合わせて行いますが、組織診は必ず行います。
出血はありますが、痛みがなく1~2分で終わります。
子宮頸がんの予防に ついて
子宮頸がんの95%以上は、HPVが原因であることがわかっています。HPVが長期に渡り感染することでがんになると考えられています。HPVは性行為を介して感染することが知られています。
子宮頸がんの予防として、以下のふたつのことを必ず行いましょう。
①子宮頸がん検診(1年1回)
がんになる過程の異常(異形成)や、ごく早期のがんを発見することができます。
②HPVワクチンの接種
子宮頚がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するワクチンです。