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更年期障害
更年期障害とは?
閉経前後の女性ホルモンの急激な減少によって、身体的、精神的症状が現れることを「更年期障害」といいます。
通常、卵巣の機能が低下し、月経が終わる(閉経する)前後5年間の時期を指します。女性の40歳代半ばから50歳代半ばまでの約10年の間ですが、個人差があり、42~43歳頃から始まる方や、もっと遅い方もいます。
体調に変化が起こるため、深刻な病気ではないのか・・・と不安に感じる女性も少なくありません。人生の中でもお子さんの受験や就職、ご主人の退職等節目、親の介護などと重なり、精神的にもストレスの多い時期となることが多いようです。女性ならば誰にでも少なからず起こることです。一人で悩まずに、お気軽にご相談ください。
症状
更年期の症状といえば、のぼせやほてりが一般的に知られていますが、症状はさまざまで、個人差もあります。
女性ホルモンのエストロゲンは、生殖に関わる以外にも、多くの臓器に働きかけているホルモンです。卵巣の働きが急激に低下し、エストロゲンの分泌が減少することで、さまざまな症状が現れます。その症状は、大きく4つに分けられます。
①血管運動系の症状
●のぼせ ●ほてり(ホットフラッシュ) ●寝汗・発汗 ●めまい ●動悸 ●頭痛 ●肩こり ●下半身の冷え ●むくみ
②精神神経系の症状
●イライラ ●不眠 ●不安感 ●うつ
③運動器官系の症状
●関節痛 ●手指の痛み・しびれ ●肩こり・腰痛・背中の痛み
④その他
●皮膚のかゆみ ●胃もたれ ●膣の乾燥
検査
ホルモン検査
ホルモンレベル(特にエストロゲンや、FSH、LH)を測定するための血液検査を行います。これにより、閉経の状態やホルモンバランスをチェックします。検査結果をもとに、適切な治療法についてお話します。
治療
更年期障害の治療方法にはいくつかの選択肢があります。症状や健康状態に基づいて、適切な治療法を提案させていただきます。
1.ホルモン療法(HRT)
エストロゲンやプロゲステロンを補充することで、ホットフラッシュや気分の変化などの症状を緩和します。
1.プラセンタ注射(メルスモン)
プラセンタ注射は、主に胎盤から抽出された成分を使用しており、さまざまな健康効果が期待されています。
プラセンタが医療現場で幅広く用いられる最大の理由は、「自然治癒力」の強化にあります。人体は軽い傷を負ったり、風邪を引いたり、疲労困憊して精神的に落ち込んでも、時間が経つと回復します。このとき私たちの体内で働いている力が「自然治癒力」です。ところがこの力が衰えてくると回復が遅れ、病気や体調不良の状態が長引き、ついに大事に至ることにもなりかねません。プラセンタはその「自然治癒力」を強力に後押しし、自分の力で病気や身体の不調を慢性化させないように働いてくれる「自然薬」として注目を集めています。
プラセンタの効果
プラセンタには、多くの働きがありますが、その作用は①自律神経のバランスを整える②肝臓の働きを高める③基礎代謝、新陳代謝を高めて細胞や組織を活性化させる④免疫力を強化して抵抗力を高める⑤炎症を抑え、壊れた組織を修復する⑥ホルモンのバランスを整える⑦細胞を壊す活性酸素を除去して酸化を防ぐ⑧血流を良くする―などが考えらえています。
注射の方法
通常皮下に注射します。注射の頻度は、症状によりますが、週に1回から2回のペースで行うことが一般的です。更年期障害の場合保険適応となります。保険適応は45~59歳まで。1日1本まで、隔日で1カ月に15回までです。1日に2本以上注射する場合は、2本目以降は自費で1本1,100円です。注射は二の腕に左右交互にするか、おなかやお尻にもすることができます。
副作用
一般的には安全性が高いとされています が、注射部位の痛みや腫れ、発赤・発疹が出る場合があります。メルスモンは皮下注射ですので、内出血のリスクがあります。内出血になった場合、消失するまで2週間ほど様子をみてください。
治療の継続
効果を実感するには数回の治療が必要なことが多いです。
漢方療法
その方の症状にあわせた漢方薬を処方しています。自然な療法を望まれる方に最適な方法です。