人工授精(AIH)
人工授精(AIH)とは?
人工授精(AIH:Artificial Insemination of Husband)とは、排卵日に合わせて、精子を洗浄、濃縮後、精子を卵管付近へ注入する治療法です。自然妊娠との違いは、精子が入る場所だけで、受精から妊娠までの過程は全く同じであるため、限りなく自然妊娠に近い方法だと言えます。自然妊娠では、膣に精液が入り、そこから精子が子宮に到達するのに対し、人工授精は直接子宮に精子を注入するので、精子と卵子が出会う確率が上がります。通常の性交渉の10倍という報告もあります。また、性交痛やED等により性交渉が不可能な場合でも、妊娠可能となります。
超音波検査による卵胞径や頸管粘液の分泌量などから排卵のタイミングを予測し、排卵日に合わせて、ご主人の精子を選別し、元気のいい濃縮した精子を子宮内に注入します。これにより、排卵日に多くの選別された運動良好な精子を最短距離で卵子まで送ることができます。しかし、施設によりレベルに差があります。当院では、手間も費用もかかりますが、日本トップレベルの二段階法を行っております。
一般的にタイミング療法を3~5回行った後、人工授精にステップアップします。人工授精で、約90%は5回までに妊娠に至るといわれています。ただし、ご年齢や精子所見で異なりますので。タイミング療法、人工授精の回数は、年齢と卵巣年齢(AMH)の値を見て決めます。(例:35歳でAMH2.5ですと人工授精3回程度)詳細は医師とご相談下さい。
人工授精の流れ
当日までの流れ
1.排卵日予測
基礎体温のグラフや、超音波検査による卵胞径や頸管粘液の分泌量などから排卵のタイミングを予測します。
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2.予約
人工授精のタイミングは、医師から説明があります。人工授精が決まりましたら、精液を採取する専用の容器を受け取り、予約を取ってお帰り下さい。
当日:男性【採精】
精液を採取します。精液は4~5日間の禁欲(射精しない)期間の後に採取して下さい。当院内での採取は出来ません。ご自宅で指定の容器に直接、精液を全量採って持参していただきます(コンドームは使用しないでください)。採取後、可能であれば30分以内に持参して下さい(2時間以内であれば人工授精は可能です)持参する際は、冷やさないように下着に挟むか、タオルにくるんで人肌に保温して持参して下さい。男性の来院の必要はありません。
当日:女性【人工授精】
1.精液の処理
持参した精液を、受付にお出しください。お預かりした精液は、雑菌などを取りのぞくため洗浄し、さらに濃縮するという2段階で処理し、良好な精子のみを回収します。これらの処置に45分程かかります。待合室でお待ちください。
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2.超音波検査・人工授精
精子の調整が完了しましたら、内診室にご案内します。経腟超音波で、卵胞の状態を確認し、調整を行った精子を卵管付近までゆっくり注入します。妊娠率を高めるため、実施後20分安静にしていただきます。
※安静を守るため、人工授精の際は、お子様を連れてのご来院はできません。
※お急ぎの場合は、安静時間を短縮する場合もあります。ご相談ください。
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3.帰宅
最後に看護師から注意事項の説明が終わりましたら、お会計をし、終了となります。
次回来院日は医師から指示がありますので、指示通りにご来院ください
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4.排卵後
人工受精後は、排卵と黄体機能の確認を行います。黄体機能の低下がみられる場合には、黄体補充療法を行い着床率を高めます。
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5.妊娠反応検査
妊娠反応陽性の場合
すぐに来院してください。妊娠8~9週まで黄体ホルモン補充のための内服が必要です。
妊娠反応陰性の場合
次の月経周期の4or5日目に来院してください。